山陰両県の公営墓地で、管理が行き届かない「無縁墓」の対応に自治体が苦慮している。墓地区画の使用者が遠方にいるなど、墓の存在を知らないケースがあるとみられる。墓地の荒廃、墓石の転倒が危惧され、自治体は使用者調査に乗り出すが、特定は困難を極めており、担当者は次世代のことを考え、事前に墓の扱いを考えておくよう訴える。

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 出雲市内にある市営墓地。周囲に草が生い茂り、朽ちた墓石の近くには「区画使用者の確認を実施しています」と記載した市の看板が立つ。使用者に連絡を促し、情報提供を求める。

 市の市営墓地は30カ所で計約3200区画。無縁墓は把握しているだけで...