第1~3駐車場の満車を示す案内板=出雲市斐川町沖洲、出雲空港
第1~3駐車場の満車を示す案内板=出雲市斐川町沖洲、出雲空港
第1~3駐車場の満車を示す案内板=出雲市斐川町沖洲、出雲空港

 出雲空港(出雲市斐川町沖洲)の駐車場の混雑が慢性化している問題で、島根県が21日、搭乗口のあるターミナルビルに近い第1~3駐車場の計613台のうち、約14%の85台を空港に勤務する従業員が連日駐車していることを明らかにした。県は対応策を空港内の事業者と協議しており、今後従業員の駐車場の利用ルールを策定する。

 第1~3駐車場は長期間駐車が後を絶たず、日常的に満車の状態。利用客はビルまで徒歩5分の東駐車場に回るのを余儀なくされ、県に苦情が入っている。県や出雲市、航空会社、バス・タクシー事業者などでつくる「利用者利便向上協議会」は、昨年9月から交通・駐車場部会で対応を協議し、県は有料化を検討する考えを示している。

 同日、空港であった2回目の部会で、初回に委員から質問があった空港に勤務する従業員の利用状況を県の担当者が説明。空港内に従業員専用駐車場はなく、空港に入る18事業所と対応策の協議に入っていることを明かし、協議会副会長の県港湾空港課の寺嶋博課長は「直ちに利用のルールをつくりたい」と話した。

 また、近隣や出雲空港と同規模の14空港に調査したところ、9空港で駐車場の管理運営の条例や規定があることから、出雲空港でも設ける考えを示した。第1~3駐車場の利用は原則3日以内とし、超過した場合の車両移動や処分の方法を盛り込む。次回は8月に開き、管理規定の詳細を提示する。有料化した場合の料金設定も協議する。

 出雲空港は2019年に東駐車場を約200台分拡張。駐車台数は、第1(456台)▽第2(66台)▽第3(75台)▽東(676台)▽公園(104台)▽身体障害者用(16台)-で、未舗装の砂利駐車場(108台)を加えると、計1501台分ある。

 県が22年に実施した調査で第1~3の車の3割が4日以上駐車し、23年夏に長期駐車の車のワイパーに注意喚起のビラを挟み、1割まで減った。(黒沢悠太)