一畑百貨店(資料)
一畑百貨店(資料)

 一畑百貨店(松江市朝日町)の閉店に伴い、売り上げが減少する島根県内企業などを支援しようと、同県が6月から8月にかけて県産品を取り扱う中元のギフトセンターを開設する。百貨店が担った販売機能を肩代わりし、激変緩和を図る。

 県によると、一畑百貨店での中元や歳暮の年間売上高は約3億円。うち県産品の売り上げが5割程度を占めており、県は閉店による県内事業者の販売機会の損失は大きいと判断した。

 計画では、県内の農家や小売業者などに幅広く参加を呼びかけてギフトカタログを制作。中元に合わせ松江市内にギフトセンターを設け、商品の販売と発送を行う。

 カタログ制作費とギフトセンター委託費など4300万円を2024年度一般会計当初予算案に計上。県しまねブランド推進課の永富聡課長は「県産品を扱う事業者の売り上げや販路の確保につなげたい」と話した。

 1月14日に閉店した一畑百貨店の23年3月期の売上高は43億円。帝国データバンク松江支店は、閉店による取引先企業の年間売上高への影響額は推計20億8200万円と試算している。(多賀芳文)