裁判員裁判では、2009年5月の制度施行から昨年までに被告1万5877人に有罪または無罪の判決を宣告し、有罪は99・0%の1万5720人だった。裁判員裁判の対象事件を裁判官だけで審理していた06~08年の有罪率は99・4%(最高裁集計)。前回検証したように、検察官は対象事件の起訴を絞り込んでいる。それでも有罪率がわずかとはいえ低いのは、裁判員裁判で「疑わしきは被告の利益に」が強く意識されているからとみられる。(共同通信編集委員 竹田昌弘)
▽有罪率わずかに低下/「疑わしきは被告の利益に」
有罪か有罪でないかは、起訴状に書かれた被告の犯罪が証拠によって事実と認められるかどうかによる(事実認定)。検察官が行う犯罪の証明に合理的な疑いがあるときは有罪としてはなら...