松江城に近い島根県庁前(松江市殿町)に計画されている高層マンション(高さ57メートル、19階建て)の景観を巡り、松江市の上定昭仁市長が26日、事業者と協議したところ「採算面から高さや階層を下げることはできない」と回答があったと明らかにした。

 市は1月中旬に事業者と接触。景観悪化を懸念する住民団体「まつえ/風景会議」が求めた市による建設予定地の買い取りについては、事業者から既存建築物の解体費やマンションの設計費などを含めた価格でないと売却できないと回答があり、上定市長は「市の考える適正価格からかけ離れている」として、困難との見方を示した。

 マンションを巡っては景観審議会の複数の委員が、周辺景観との調和という観点での審議などが不十分として再審を求めている。この点については「正式な答申を反故(ほご)にはできない」とし、委員から意見を聴取する場を設けることを調整しているとした。

 市は景観計画の見直しを進める方針だが、松江城周辺を法令に基づく高さ制限がある区域に指定するといった手法についても検討し、3月末までに方向性を固めるとした。

 会派代表質問で、野々内誠議員(松政クラブ)の質問に答えた。

 (堀尾珠里花)