ポスト岸田の存在感を示すには、ほど遠い同志の数だった。
自民党の石破茂元幹事長(衆院鳥取1区)のグループが27日夜、国会内で勉強会を開いた。自ら講師を務め、党内の議員に幅広く参加を呼びかけたが、集まったのは衆参で計15人だった。このうちグループ以外では二階派や安倍派など1桁の9人。党総裁選に例えると必要な推薦人の数(20人)にも満たなかった。
政治資金パーティーの裏金事件で低落する岸田内閣の支持率を背景に、後継の待望論が聞こえる地元の鳥取県内や世論調査とは違い、永田町の風は依然、冷たい。駆け付けた議員の一人も「ギャップがまだある」とこぼした。
裏金事件を受け、既に岸田派や安倍派など主要派閥が事実上解散した党内に集まりにくい空気があるのか。同じ国会内で平日の21日に開いた高市早苗・経済安全保障担当相の勉強会も19人で、こちらも推薦人の数に満たなかった。
ただ、当の石破氏本人はどこ吹く風で、参加人数は「大体こんなもの。数より継続してやること」と、政局をにらんだ動きという見方を否定してみせた。講演では、前日の衆院予算委員会で岸田文雄首相を前に披歴した災害対応や国民保護を担う専門的な省庁創設など、寸分違わず持論を語った。
石破グループ勉強会の参加国会議員は2022年3月の60人が最多。今後も月1回の開催を予定している。世間と永田町のギャップが埋まる日が来るか、注目したい。
(東京支社・原田准吏)