島根県西部で飲食店5店舗を運営する(株)ファン・テーブル(浜田市相生町、鎌田英樹社長)が新型コロナウイルスの感染拡大による外食離れを受け、「すし蔵のはなれ江津店」(江津市嘉久志町)で持ち帰りと宅配に業態をシフトしている。営業時間を短縮する代わりに新たに宅配に対応。持ち帰りも含め、客のニーズに合わせた事業展開を進める。
コロナ禍で内食化が進んだのを受け、2021年9月期の同店の売り上げは5月末現在で、持ち帰りが前年同期比80%増と大幅アップ。一方、売り上げの7割を占めるうどんが同15%減と苦戦するなど店内での飲食客が減っており、事業形態の変更を決めた。
営業時間はこれまで午前11時~午後3時、午後5時~同8時だったが、昼食需要が大半を占めるうどんに限って午前11時~午後2時半に短縮。代わりに、昨春の大型連休時に試行し、需要が見込まれた宅配サービスを午後4時半~同8時に受け付けている。
また、19年10月に始めた、企業のオフィスなどに出向くケータリングサービス「出張にぎり」で、「依頼したくても呼べる場所がない」という利用客の声に応え、自店舗での受け入れも開始。予約に基づき、午後5時~同8時に受け付ける。場所代が税込み1万1千円で飲食費は別途。
同社の鈴木健士専務(47)は「コロナ禍で県外観光客の利用が計算しにくい中、地元住民に受け入れられるかどうかが重要。地域にない飲食サービスを提供し、需要を掘り起こしたい」と話した。












