心から描きたいと思うものを描いてきた。動物、人形、縫いぐるみ、石…やがて人へ。それらはみな「痛みや悲しみを抱えた存在」だと気付いたのはいつ頃だったか。

 画家の堀江栞(32)は幾つもの困難に直面してきた。いじめや病気、理不尽な人間関係。絵筆を持てなくなった時期もある。それでも再起し、描く対象に向き合うように、真っすぐ前を向く。その表現は繊細でありながら強さを感じさせる。

 「集団の敵」で孤立

 東京で育ち、幼い頃から絵を描くことが好きだった。何時間でも黙々と描く。石...