松江市は28日、民間企業で違法とされる年720時間超の時間外勤務(残業)をした市職員が、2020年度に20人いたと明らかにした。新型コロナウイルス感染症対応による業務増が理由で、前年度の7人から約3倍に増えた。
市の人事規則で定める年上限の360時間を超えた職員は前年度比85・2%増の113人となった。
年間で最も長かったのは、コロナ関連業務に当たる健康部職員の1003時間。1カ月の最長は職員配置を担当した総務部の職員で165時間に達した。
時間外勤務の総時間数は11・2%増の19万1087時間。新型コロナ感染症の対応業務を除くと、6・9%減の15万7783時間だった。
市人事課は対象者が少ないことを踏まえ、支給額は個人の特定につながる恐れがあるとして非公表とした。
業務増を受け、市は健康部と松江保健所の正規職員を2人増員。21年度に立ち上げたワクチン接種実施本部も14人から6月末までに4人増やすという。
28日の市議会本会議で津森良治議員(民主ネットワーク)の代表質問に対し、上定昭仁市長は職員採用試験合格者の前倒し採用など「柔軟な人材確保に努める」と説明した。 (中村成美)