がんと診断されたときに直面するのが、仕事や医療費といった生活上の悩み。新たな治療が登場し、長期にわたってがんと付き合いながら生活する人が増えた。がんになっても、治療を続けながら社会生活を送る患者や支援機関、企業の姿を通して、課題や支援の在り方を考える。
フリーランスのカメラマン、杉原真司さん(58)=松江市東津田町=は2020年1月上旬、朝目覚めていつものようにひげをそろうと鏡の前に立った時、顎の下に妙な腫れを見つけた。指でなぞると少し硬かった。がんが頭をよぎったが、他の病気だと自分に言い聞かせた。
かかりつけ医を受診し、血液検査を受けたが異常は見つからなかった。...