―コロナ禍によるリモートワークの普及で靴業界も影響を受けたと聞きます。現況はいかがですか。

売り上げは順調に回復していると感じます。目的を持って来店されるお客さまが多くなった印象で「買い上げ率」(来店客数に対する購入客数の比率)は高くなっています。

履き替え需要がある子ども靴は安定していましたし、スニーカーや男女のカジュアルシューズも戻ってきました。ビジネスシューズは必ずしもスーツに革靴を合わせないといけない時代ではなくなりましたので、コロナだけでなく、時流が影響しているかもしれません。

また、昨秋にはECサイトを見やすく買いやすいようにシステム改修しました。



―時代を先取りする感覚が求められる業界だと感じます。トレンドをつかむポイントは何ですか。

数字上のデータ分析だけでなく、お客さまを一番知っている現場スタッフの意見を大事にしています。来店されるお客さまが求める商品を把握し、数字の背景にある傾向をつかむよう意識しています。

メーカー側の仕掛けと「シューズ愛ランド」で売れそうな商品を買い付けるバイヤーの仕事も重要です。

「シューズ愛ランド」は山陰両県をはじめとした中国、九州、近畿、中部地方に39店舗を展開しています。例えば、細い靴を好むのは九州や関西が多く、山陰はそこまで好まれないといった地域性があり、エリアによって品ぞろえを変えています。

 

 

―長年、「地域一番店」を掲げておられます。何に力を入れて取り組んでいますか。

地域のお客さまになくてはならない靴屋と思ってもらうことが大切です。

昨年11月には、顧客満足度を高めるCS推進課をつくりました。靴を「デザイン」や「値段」で選ばれる傾向がありますが、接客し、商品を提案すると、最初に選んでない靴を購入してくださる光景があります。見た目だけではない、その人に合った靴選びが大事です。

お客さまの満足度をより一層高めるお手伝いをしたいと考えています。

 

大学時代など、社会人になる前の時間は、外の世界だけでなく内側を見つめる機会にしてください。

自分のやりたいことを見つけ、貫いていくことが社会に出てから間違いなく生きるはずです。

 

 

渡部正樹=島根県松江市出身(40歳)2009年に入社し、21年11月から現職。

スラムダンク世代ど真ん中で、映画「THE FIRST SLAM DUNK」には心を熱くしました。

中学・高校時代はセンターを務めました。チーム競技特有の連帯感に加え、フェイントなど頭脳戦がかなり重要である点が非常に面白いと感じます。
 

東京靴㈱HP