島根県邑南町日貫地区の家々にあった長浜人形の展示会を目前に控え28日、同地区の庄屋屋敷「旧山﨑家住宅」で、地元の女性団体・コスモスの会の会員が200体を並べ、華やかな空間をつくり上げた。
長浜人形は江戸時代から浜田市周辺で作られる伝統工芸品。日貫地区では、1960年代までは子どもの初節句の祝いに親戚が贈る風習があったという。コスモスの会は家々から預かった人形を2011年から展示している。
展示会は30、31の両日にあり、江戸-昭和期の人形を飾る。人形は松の木を引き抜く金太郎や戦国武将の加藤清正、「天神様」と呼ばれる菅原道真のほか、犬を抱いた女性や花魁(おいらん)などさまざまで、地元の日貫保育所の園児が紙粘土で作ったひな人形もある。
コスモスの会の会員が1体ずつ丁寧に並べ、橋津フサミ会長(87)は「時代ごとに違う質素で奥ゆかしい人形の表情を見比べてほしい」と来場を呼びかけた。展示会は午前10時からで、30日は午後5時、31日は同4時まで。入場無料。(吉野仁士)