白クローバーの種を混ぜた砂を羊放牧場予定地にまく子どもたち=江津市波子町
白クローバーの種を混ぜた砂を羊放牧場予定地にまく子どもたち=江津市波子町

 JR波子駅を核にした民間企業と地域住民による連携が進む江津市波子町で6月、肉用羊を飼育する放牧場が開設される。同駅近くの予定地で28日、地元園児や住民40人が牧草となる白クローバーの種をまいた。

 広さ60アールで、羊毛用に羊を飼育する跡市ひつじ牧場(江津市跡市町)が開設する。「麦酒羊肉(ビールマトン)」のブランド名で3頭で始め、1年後をめどに6頭に増やす。

 海風でミネラル分を多く含む牧草、波子駅舎内に醸造所を設ける地ビールメーカー石見麦酒(同市波子町)の麦芽かすを使った発酵飼料の餌を使う。麦芽かすの発酵飼料は餌の食べ始めや成長が早く、加工後に臭みが出にくいという。

 この日は、直径2ミリほどの種を砂と混ぜ合わせ、地元の波子保育所園児らがコップに入れてまいた。大崎千紗ちゃん(5)は「かわいい羊が牧草を食べている姿が見たい。友だちと見に来たい」と笑顔で話した。

 白クローバーは8~9月ごろに大きくなり、もともとある雑草とともに餌となる。企画した石井裕介牧場長(43)は「まずは地域の人に愛される牧場づくりを進め、羊肉の認知度を高めたい」と話した。(村上栄太郎)