閉校行事で校歌を歌う雲雀丘小の児童たち=浜田市原井町
閉校行事で校歌を歌う雲雀丘小の児童たち=浜田市原井町

 先日の本紙「こだま」欄に校歌を歌うのが好きという60代の読者の投稿があった。小中高の「どの校歌も、歌えば郷土の情景が目に浮かび、明るく元気になる」という。さぞ思い出深き学校生活を送られたのだろう▼はて我が母校はどんな校歌だったろうと記憶をたぐったが、悲しいかな歌詞もメロディーも出てこない。ならばとインターネットで検索し、ヒットした。再生すると懐かしさが一気に込み上げてきた。後輩たちが今も歌っていると思うと誇らしい。校歌とはそういうものなのだろう▼「最後の校歌」とならば、やはりさみしく感慨無量の音色になる。<潮の音ひびく この丘に 朝風清く そよ吹けば…>。きょう年度末で歴史を閉じる浜田市立雲雀丘小学校の閉校行事で聞いた校歌合唱が耳に残っている▼児童たちはこの一年、何度となく校歌を歌った。伝統の鼓笛で演奏もした。心に染み付いているに違いない。6年生は校歌の歴史を自分たちで調べ、学習成果発表会で紹介していた。作詞は島根県内の校歌を数多く手がけた詩人の木島俊太郎氏、作曲は浜田市民合唱団や浜田少年少女合唱団を立ち上げ指導した吉見政男氏。校舎を移転新築し、現校名になった翌年の昭和32年に制定され、歌い継がれてきた▼閉校しても大切な思い出と一緒に忘れずに、そして新年度から通う学校の校歌も早く覚えて、たくさんの思い出をつくってほしい。(史)