値上げ、値上げの年の瀬に、助けの神はガソリンだ。ガソリンの暫定税率廃止に向けて店頭表示も安くなり「減税効果」を実感している。車なしでは生活できない地方にとっては待望の税制改革だ。
ガソリンは税の仕組みが複雑で、オイルショック後の1974年、道路整備財源として一時的にガソリン税に上乗せされた暫定税率が50年も維持されたのもその一つ。ガソリン税を含む価格に消費税をかける「二重課税」も残っている。
暫定税率廃止は「物価高対策」として急浮上した。1リットル当たり25・1円の減税がそのまま値下げに直結するかは微妙だが、通勤に使う人なら月に2、3日分ぐらいが浮く計算だろうか。年末年始の自家用車帰省にも恩恵がある。
ガソリンは通院、通勤、買い物、レジャーなどに不可欠だが、不可欠すぎて値上がりしても消費量は減らない「価格弾力性」の低い消費財といわれる。税負担が重くても、いわばドライバーの我慢と諦めで成り立っていた。高市内閣はそこに手を付けた。
軽油引取税も来年4月に下がる予定で、通販の荷物があふれ人手不足に悩む運送業界は一息つけることだろう。ただ、今回の減税で1・5兆円の税収が失われ、道路の管理を行う地方財政への影響が懸念される。傷みが目立つ地方の道路インフラを見るたびに、新たな道路財源確保が心配になる。来年度の税制改革で新たな道が開けるのだろうか。(裕)













