松江市西川津町の島根大で10日、島根県警の中井淳一本部長が講義し、県内の治安情勢を説明しながら、若者が被害者にも加害者にもなりうる特殊詐欺などの注意を呼びかけた。
「地域社会の生活と安全」をテーマに2013年から毎年開く出前講義の初回で、約90人が聴講した。
中井本部長は特殊詐欺の被害者について、島根県は10~30代の割合が全国に比べて高いと指摘。詐欺グループが企業を名乗って架空料金を請求する実際の電話音声を流し、被害者が信じ込んでしまう巧妙な手口を紹介した。
特殊詐欺の実行役は闇バイトで集められているとし「軽い気持ちで応募して人生を棒に振る若者が増えている。気を付けてほしい」と呼びかけた。
生物資源科学部2年の岡田愛世(まなよ)さん(19)は「詐欺の音声を聞いて、自分も指示に従ってしまうかもしれないと思った。学んだことを忘れず、注意していきたい」と話した。
講義は交通やサイバー犯罪、人身安全など分野ごとに全14回開かれる。
(小引久実)