安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)は30日の第8回会合で、皇族数の減少対策として、「女性宮家」創設など女性皇族が結婚後も皇族の身分を維持すること、旧宮家(旧皇族)の男系男子子孫による養子縁組を解禁して皇籍を取得することの2案に絞り込み、議論していくと確認した。清家氏が会合後、記者団に明らかにした。

 会議はこの2案を盛り込んだ上で、菅義偉首相への答申をまとめる方向だ。政府は答申を踏まえ、秋までに議論の結果を国会に報告する。実際に女性宮家や養子解禁が実現すれば、象徴天皇制の在り方を巡る大きな転換点となる。

 清家氏は記者団に「秋篠宮さまの長男悠仁さまの世代で、十分な数の皇族が皇室にいていただく必要がある。喫緊の課題だ」と強調。そのための具体的な方策として(1)内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を維持することを可能とすること(2)皇族の養子縁組により、皇統に属する男系の男子が皇族となることを可能とすること―の2案を中心に「皇族の一定数を確保するのが大切だ」と明言した。

 養子縁組について「このままだと途絶えてしまう宮家に入り、宮家を継いでいただくという案だ」とも説明。こうした方針を会議の総括としてメンバーに伝えたとも明らかにした。

 次回会合は7月9日に開催する。

 会議は前回6月16日の会合で、父方が天皇の血筋を引く男系の男子に継承資格を限定する皇室典範の規定を尊重し、現在の継承順位を維持する方針を確認した。女性・女系への資格拡大は見送りとなり、将来の選択肢の幅を広げるため、皇族数の確保策を中心に検討を進める方向になった。

 

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旧皇族の皇籍復帰 1947年、昭和天皇と現在の上皇さまら内廷皇族、昭和天皇の弟の秩父宮、高松宮、三笠宮の3宮家だけが皇室に残り、東久邇宮や久邇宮など11宮家(旧宮家・旧皇族)の51人が皇籍を離脱した。皇族数維持のため、この旧皇族の男系男子子孫に皇籍を取得してもらう意見がある。小泉政権時の有識者会議は、天皇との共通の祖先が約600年前までさかのぼる遠い血筋であり、長く一般人として生活しているため「皇族とするのは困難」と結論付けている。