大学入学共通テストに臨む受験生∥17日午前、東京都文京区の東大
大学入学共通テストに臨む受験生∥17日午前、東京都文京区の東大

 成人の日は1999年までは1月15日固定で、その日が土日なら大学入試センター試験(現・大学入学共通テスト)と重なった。だから2浪生は“ハレの日”に華やぐ同い年の新成人たちを横目に試験会場に向かう、という惨めな現実があった。

 そんな彼らを励ますかのように昨秋、『多浪で人生変えられますか?』(濱井正吾著)が出版された。9浪した著者が2浪以上の経験者20人に取材した本。19浪を含め誰もが「後悔していない」と浪人時代を振り返ったのは多浪(2浪)したわが身にはうれしい。人生は長く、多様な生き方がある。

 それでも4浪目でやっと成績が上向き始め、7浪して合格した女性や、志望大学を諦められず3浪で入った大学をやめて5浪の末にかなえた男性などが登場すると、2浪は“ひよっこ”。

 恐縮しつつ個人的にあの日々を振り返ると、つらかったが懐かしく、戻れないのは寂しい。何しろ合格以外を考えずに済んだ。困ったのは大学入学後の方で、予備校では必要がなかった社交性のなさに悩まされた。だが現役合格でも同じだったかもしれず比較できない。人生は一度きりなのだ。

 今年の共通テストが終わった。今頃、受験生は2次試験でリスクを冒すか、堅実路線で行こうかと思案中のはずだ。長い目で見ればキミの選択は正しい。そして現役でも何浪でも、大学に行かせてくれた人への感謝の念が後で心に染みてくる。(板)