「名選手、名監督にあらず」という。現役時代に優れた成績を残した選手でも、指導者として成功するとは限らないという意味の格言だ。昨年、89歳で亡くなった「ミスタープロ野球」長嶋茂雄さんも、現役を引退し巨人の監督として臨んだ1年目は球団初の最下位に沈んだ。
さて、こちらの「ミスター」はどうか。毎年1月に広島で開かれる全国都道府県対抗男子駅伝に中学時代から古里・鳥取と所属先(中国電力)の広島代表として計19回出場。通算追い抜き人数は歴代最多の134人を誇り、アマチュアでありながら「ミスター駅伝」の称号を持つ由良育英(現鳥取中央育英)高出身の岡本直己さん(41)だ。
1年前に現役を引退し、鳥取市にある支社に転勤して社業に専念する傍ら、地元の生徒たちを指導。転勤後に話を聞くと「市民ランナーとして鳥取から男子駅伝出場を狙おうかな」と笑っていたが、関係者の依頼を受け、鳥取チームの監督として慣れ親しんだ舞台に戻った。
結果は15位。昨年末の全国高校駅伝で4位入賞を果たした鳥取城北の3人を軸に粘り強いレースを展開したが、目標の8位入賞には届かなかった。
レース後は「高校生にプレッシャーをかけ過ぎてしまった」と反省。「(監督は)やはりきつい」と再挑戦には後ろ向きだったが、冒頭の長嶋監督は2年目にリーグ優勝を飾っただけに、「ミスター駅伝」の来年に期待してしまう。(健)













