神戸川にアユの稚魚を放流する児童=出雲市佐田町一窪田
神戸川にアユの稚魚を放流する児童=出雲市佐田町一窪田

 【出雲】出雲市佐田町一窪田、窪田小学校の全学年児童約30人が16日、学校近くを流れる神戸川にアユの稚魚を放流し、成長を願った。同校は本年度末、須佐小学校と統合されるため、放流は最後になった。

 神戸川漁協(原拓也組合長)が児童に神戸川への理解を深め、親しんでもらおうと15年ほど前から実施している。今回は益田市の高津川漁協の稚魚約千匹を放流した。

 児童はバケツを使って体長7、8センチ程度の稚魚を川に放した。開始直前に強い雨に見舞われたが、子どもたちは「頑張れ」「元気でね」と声をかけ、泳ぐ姿を見守っていた。

 6年の藤原こはるさん(11)は「ほかの学年の子と仲良くできた。この学校がなくなっても、アユや生き物が住める川を保ちたい」と話した。

 放流イベントを立ち上げた神戸川漁協の安井敬祐窪田支部長(95)は「最後なのは悲しいが、子どもたちの思い出となって、いつまでも忘れずにいてほしい」と目を細めた。(黒沢悠太)