賞状とメダルを手にし、全国トップ10入りを喜ぶ葛井惇之祐君=鳥取市扇町
賞状とメダルを手にし、全国トップ10入りを喜ぶ葛井惇之祐君=鳥取市扇町

 【鳥取】国内最大規模の小学生プログラミングコンテスト「TECH KIDS GRAND PRIX(テックキッズグランプリ)」の2023年度大会で、鳥取市立岩倉小6年の葛井惇之祐君(11)が全国トップ10入りし、鳥取県勢初のファイナリストになった。書いて覚えるのが苦手という漢字にまつわるシューティング型ゲームを考案。「高い評価を受けてすごくうれしい」と喜んでいる。

 コンテストは、IT企業などの協力で開催。プログラミングを用いて制作した、児童のオリジナル作品のアイデアや世界観を評価する。今回は7391人の応募があった。

 葛井君はドローンを操作し、漢字に消しゴム型の弾を当てて得点を競うゲーム「漢字シューター」を制作。漢字を書くのが苦手で、ゲームなら楽しく学べそうだと思い付いた。4次審査の中国四国エリアを突破し、2月25日に東京都内であった決勝で自作ゲームを発表。関係者らが見守る中、抑揚を意識しながら見どころを説明した。

 2年生時、システム開発のアクシス(鳥取市扇町)が運営するプログラミング教室を体験したのがきっかけ。ゲーム作りを通し、思い描いたことがプログラミングで実現できる楽しさを感じた。3年生から教室に通い、5年生の10月まで2週間に1回ゲーム作りやシステム設計を学んだ。

 自宅でも毎日数時間、プログラミングに取り組むほどのめり込む。プログラムを誤り、想定外の動きをするのも楽しく「試行錯誤するのが面白い」と笑みを浮かべる。

 決勝は勝ち抜けなかったものの、同年代の作品の実用性や完成度の高さに刺激を受けた。「自分で困ったことを解決できるシステムをつくれるようになりたい」とやる気をみなぎらせた。(岸本久瑠人)