大型補強に踏み切ったバスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の島根スサノオマジック。新シーズンを「勝負の年」(中村律COO)と位置付け、日本代表候補の2選手の加入で「外国籍選手頼み」からの脱却や新たなファンの開拓を図る。 (奥原祥平)
「シャッフルしてつくるのも面白いが、積み上げが大事。昨季の強みを生かして弱点を補った」。島根の堀健太郎GMが今回の補強ポイントをこう説明する。
昨季は、ペリン・ビュフォード、リード・トラビス、デモン・ブルックス(現・レバンガ北海道)の3人の外国籍選手の得点が総得点の半分を占めた。外国籍選手がチームをけん引する活躍を見せる一方、日本人選手の得点力やアウトサイドシュート成功率の低さが課題として残った。
新シーズンは、バンダイナムコエンターテインメント(東京都)が球団の経営権を取得してから3季目。悲願のチャンピオンシップ出場のために必要な最後のピースが「3点シューター」と「攻撃力のあるポイントガード」だった。リーグ屈指のスコアラー、金丸晃輔、仲間を生かしながら自ら得点もできる安藤誓哉は球団構想に当てはまる選手だった。
また、今回の大型補強は2026年を目標に導入が検討される「新B1」も視野に入れている。新B1では、売上高12億円、平均観客数4千人などのライセンス審査が適用される。
大型補強には、知名度がある選手の加入による目先の観客増はもちろんだが、選手たちが子どもたちの目標となり、バスケットボールを地域に根付かせるという中長期的な狙いもある。
「選手を集めるだけではなく、勝つことで地域に勇気や元気を与えたい」(中村COO)。金丸と安藤もこうした球団方針に共感したという。












