衆院3補欠選挙が28日、投開票される。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件後、初の国政選挙。唯一の与野党対決となった島根1区、東京15区、長崎3区が対象で、いずれも「政治とカネ」の問題が絡み、裏金事件や政治改革の在り方などが論戦の主テーマとなっている。与野党は最終盤に入り総力戦を展開。結果は岸田文雄首相の政権運営を左右する。
島根1区は細田博之前衆院議長の死去に伴う。自民新人で元中国財務局長の錦織功政候補(55)=公明党推薦=と立憲民主党元職で党県連代表の亀井亜紀子候補(58)の2人が立候補。全国から注目を集め、両党とも党幹部や知名度の高い国会議員らを投入し、総力戦を展開している。
自民の錦織候補は連立政権を組む公明のほか、約160団体から推薦を得た。告示後、約100カ所で街頭に立ち、裏金事件を踏まえて先頭に立って政治改革を進めると主張。賃上げやインフラ整備、中山間地域・離島振興などに力を入れ、約30年の国での行政経験を生かし、島根と国とのつなぎ役になると訴える。
党本部主導で選挙戦を展開し、小渕優子選挙対策委員長が選挙区に張り付く。党幹部や国会議員も次々島根入りして企業や業界団体を回り、支持固めを進める。最終日の27日は安来、松江両市を回り、午後6時半から松江市中原町の松江しんじ湖温泉駅前で最後の訴えに臨む。
立民の亀井候補は連合島根の推薦や候補者を取り下げた共産党の自主支援、国民民主党の県連レベルの支援を受ける。告示後、少なくとも約100カ所で街頭に立ち、裏金事件を批判。企業・団体献金の禁止といった政治改革や、衆参10年の国会議員の経験を生かし、労働環境改善や農林水産業振興などに取り組むと訴える。
浮動票獲得に向け、岡田克也幹事長ら党幹部が次々と選挙区入りし、国会議員も企業や業界団体を回る。亀井候補の父・久興氏も支援者を訪ね、保守票の取り込みを図る。最終日の27日は松江市を回り、午後6時20分から同市殿町の県庁前で最後のマイクを握る。
15日現在の島根1区の選挙人名簿登録者数は26万1528人(男12万4955人、女13万6573人)。
衆院島根1区補選立候補者
敬称略、上から届け出順
錦織 功政55 自民、新 (推)公明
亀井亜紀子58 立憲民主、元
首相、泉氏 きょう再び直接対決
自民党総裁の岸田文雄首相と立憲民主党の泉健太代表が、衆院島根1区補選(28日投開票)の選挙戦最終日の27日に島根入りすることが26日、分かった。全国3補選で唯一の与野党対決となり、岸田政権の命運が懸かる注目区。21日に続いて2度目の直接対決となる。
関係者によると、岸田首相、泉代表とも大票田の松江市を回る。島根入りは岸田首相が2度目、泉代表は告示前を含めて6度目となる。
(曽田元気)