松江市東出雲町揖屋の黄泉比良坂(よもつひらさか)の案内看板がSNS上で話題となっている。「黄泉比良坂 この先350メートルを左折」という極めてシンプルな内容。神話では、よみの国と現世の境目とされるだけに「こんな気軽に案内していい場所なのか」とX(旧ツイッター)の投稿には9万件を超す「いいね」と、2万5千件を超すリポストが付いた。新しく設置された看板について調査した。
(報道部・林李奈)
 

■よみの国と現世の境界


 黄泉比良坂は、古事記や日本書紀に登場するよみの国と、現世の境界とされる場所だ。「聖闘士星矢(せいんとせいや)」や「ノラガミ」など漫画やアニメでも登場する。

 古事記に黄泉比良坂は「出雲の国にある伊賦夜坂(いぶやさか)である」との記述があり、伊賦夜坂がある松江市東出雲町揖屋の平賀地区に同じく黄泉比良坂があるとの伝承が残る。今は死者に宛てる手紙のポストが設置され、地元保存会などが大切に守っている場所だ。

幻想的な雰囲気の「黄泉比良坂」=松江市東出雲町揖屋

 

■案内看板 立てまくり


 今回バズった看板は、米子方向から松江市向に向かう国道9号沿いの三差路(松江市東出雲町揖屋)にある。横断幕状で2024年2月末に設置された。...