裁判員裁判の第1回公判から判決までの実審理期間は、この15年で4倍に延びた。評議に時間がかかり、判決後のアンケートで「裁判官が誘導」と指摘する裁判員もいる。書面の証拠(書証)に頼る審理は相変わらずで、遺体写真などの「刺激証拠」を排除する裁判所に検察官などの不満は募る一方だ。有罪かどうかの審理と量刑の審理を二分する試みもうまくいかず、審理と評議の課題は多い。 (共同通信編集委員 竹田昌弘)

在任15日、評議は14時間 「裁判官が誘導」指摘も

 最高裁の集計では、裁判員の在任期間でもある実審理期間は裁判員裁判が始まった2009年の3・7日から毎年延びて12年に7日を、17年には10日を超えた。20年以降は新型コロ...