米国務省が発表した人身売買に関する国・地域別ランク
米国務省が発表した人身売買に関する国・地域別ランク

 【ワシントン共同】米国務省は1日、世界各国の人身売買に関する2021年版の報告書を発表した。日本については国内外の業者が外国人技能実習制度を「外国人労働者搾取のために悪用し続けている」として問題視。政府の取り組みは「最低基準を満たしていない」として4段階評価で上から2番目のランクに据え置いた。

 ブリンケン国務長官は演説で、中国新疆ウイグル自治区などでの強制労働を批判。各国に「強制労働で生産された製品をサプライチェーン(供給網)から排除する措置を取ることを呼び掛ける」と訴えた。

 日本の外国人技能実習制度は、強制労働による人権侵害の温床となっているとの見方を示し、政府当局の監視強化などが必要だと明記。人身売買が軽微な処分で済まされ「十分な抑止ではない」と指摘し「政府に、被害者を把握して保護するという政治的意思が引き続き欠けている」として、厳罰化も求めた。

 加藤勝信官房長官は2日の記者会見で「米国の国内法の基準に照らし、独自に策定されたものだ。政府として意見は述べない」と語った。

 国務省は報告書で、人身売買と闘う「ヒーロー(英雄)」の1人に同制度の問題に取り組む東京の指宿(いぶすき)昭一弁護士を選んだ。

 児童買春や強制労働など人身売買の被害者を特定する取り組みや、専門的なケア、支援を強化する必要性にも言及した。

 中国は最低ランクに据え置き、イスラム教徒の少数民族ウイグル族ら100万人以上が拘束され、強制労働などをさせられているとした。最低ランクは17カ国で北朝鮮やミャンマーなども含まれる。最も高いランクは28カ国・地域で、米国や韓国、台湾などが入っている。