選手の成長、勝った時の達成感、全国制覇-。指導者のモチベーションは人によってさまざまだ。昨年4月から出雲工高アーチェリー部で17人の生徒を教える実習教諭の松下千華(23)の場合は「競技がマイナーな土地のチームが、全国の強豪を倒せたらおもしろい」との思いだ。自らの生い立ちを語る際、気さくな関西弁からは、時折、負けん気の強さが顔をのぞかせる。
大阪市出身。一度も訪れたことがなかった島根で就職したのは、大学4年の8月上旬にアーチェリー部の監督にかけられた言葉がきっかけだった。
「アーチェリーと教員をやりたいなら良いところがあるぞ」。教職をしながらアーチェリーを続けられたら、と漠然と考えていたがハードルが高いことは分かっていた。そんな時に思いも寄らない話が舞い込んできた。
監督が薦めたのは、...