講演する自民党の石破茂元幹事長=東京都千代田区、ザ・キャピトルホテル東急
講演する自民党の石破茂元幹事長=東京都千代田区、ザ・キャピトルホテル東急

 自民党の石破茂元幹事長(衆院鳥取1区)が17日、東京都内であった共同通信きさらぎ会で講演した。9月の党総裁選立候補の明言を避ける一方、質疑応答で「当選期数が長く、いろいろな仕事を歴任してきた者は皆(首相・総裁を目指すことを)考えねばならないのではないか。それを一切考えないことは自己否定になる」と含みを持たせた。

 派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、岸田政権の支持率が低迷する状況を踏まえ、「(国会の首相指名で)岸田文雄の名前を書いた責任がある。岸田内閣をつくったのはわれわれで、その責任はきちんと負いたい」と強調。一方、岸田首相が今夏に党役員人事や内閣改造を実施した場合、要職に就くかどうかは「仮定の話にはお答えできない」と述べるにとどめた。

 講演では、自民候補が敗れた4月の島根1区補欠選挙に触れ、候補の知名度不足のほか、故・細田博之前衆院議長の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係やセクハラ疑惑を念頭に「逆風200メートルのような選挙だった」と振り返り、「(自民支持者が多い)60、70歳代の男性が(票を)入れなかったかもしれない」と推察。次期衆院選に向けて「自民党が好きであるが故に自民党に入れないという人が出てくると、地滑り的にものすごいことが起きる」と危機感を募らせた。

(原田准吏)