候補者80% 辞退や欠席

選任9万人超え

社会に経験生かす事例も

 裁判員制度の開始から15年で裁判員に選ばれた有権者は9万人を超え、昨年から10代も務めている。裁判員を経験し、社会に足りないものを見つけて活動を始めた人がいる一方、裁判員の候補者となっても辞退したり、選任手続きを欠席したりした人は80%近くに上っている。企業の半数は裁判員に就くための休暇制度がなく、裁判員の「よい経験をした」という具体的な話も守秘義務が壁となって広まらないためとみられる。(共同通信編集委員 竹田昌弘)

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