擬宝珠橋を拭く参加者=鳥取市東町2丁目
擬宝珠橋を拭く参加者=鳥取市東町2丁目

 鳥取城跡(鳥取市東町2丁目)の清掃イベントが1日あった。子どもから大人まで市民約200人が久松山(263メートル)山頂から麓まで八つのエリアに分かれ、ごみを拾ったり雑草を取ったりした。

 市民の愛着を深め、観光資源としての価値を高めようと鳥取商工会議所青年部が昨夏に続いて企画。青年部鳥取お城委員会の河田圭太委員長は「関わってくれる人を増やしながら活動を継続したい」と展望する。

 2018年秋に復元され大手門に通じる擬宝珠(ぎぼし)橋では欄干を拭いた。一緒に汗を流す市教育委員会文化財課の細田隆博文化財専門員が「東京の日本橋に相当する鳥取の起点。市内の一里松はここからの距離に基づく」と解説し、参加者の興味を引いた。

 戦国時代に羽柴(豊臣)秀吉に攻められた時の鳥取城の守将・吉川経家の像のそばでは説明板を塗り直した。参加した八頭高校3年の平木心晴(こはる)さん(18)は「みんなに大切にされてきた鳥取城の清掃に参加でき、うれしい」と話した。

 参加者は清掃に先立ち、城跡の一角にある鳥取西高校で細田専門員の講演を聴き、城跡の歴史や進行中の復元事業について学んだ。

 (桝井映志)