国史跡・鳥取城跡(鳥取市東町2丁目)の天守に当たる二の丸三階櫓(やぐら)が24日、AR(拡張現実)でよみがえった。現存しない櫓の復元を目指す鳥取市が、コンピューターグラフィック(CG)で制作。城跡内でスマートフォンを使って往時の城の雰囲気が味わえる。利用無料。
鳥取城は織田信長も「名城」とたたえた山城で、貴重な戦国、近世の城郭があるが、三階櫓を含め建物は石垣を残すのみ。市が、城の玄関口・大手登城路の復元を進めている。
三階櫓の復元時期は決まっておらず、観光の魅力アップとともに、復元の機運醸成につなげようとCGを活用。スマホやタブレット端末で市のホームページ内の専用サイトにアクセスし、三階櫓があった石垣に向かってカメラを向けると、画面上で、高さ17・8メートル、幅、奥行きとも14・5メートルの櫓が現れる。
二の丸の内外6カ所が出現スポットとなっており、それぞれ異なる角度から櫓を楽しめる。
市観光・ジオパーク推進課の平井宏和課長は「当時に近い姿が再現できた。城跡の魅力を、深掘りしてもらうきっかけになればうれしい」と話した。(岸本久瑠人)