弘安さんが寄贈した桜の下図に見入る来場者=浜田市野原町、市世界こども美術館
弘安さんが寄贈した桜の下図に見入る来場者=浜田市野原町、市世界こども美術館

 浜田市出身の日本画家・橋本明治(1904~91年)の生誕120年を記念した「橋本明治展ー作品ができるまで」が同市野原町の市世界こども美術館で開かれている。初日の1日には明治の養子の日本画家・橋本弘安さん(70)=女子美術大名誉教授=の講演とワークショップがあり、来場者約50人が日本画の奥深さに触れた。

 記念展は、島根県立美術館(松江市袖師町)の収蔵作品と、弘安さんが2023年度に市に寄贈した明治のスケッチや画材などの資料計150点を展示。下絵と本画を見比べることができ、完成までの過程や明治ならではの鮮やかな色彩が見て取れる。

 弘安さんによるワークショップでは、参加者が日本画の画材となる岩絵の具作りに挑戦した。高知県の桂浜で採れた小石を器具で細かく砕いて粉末状にした後、のりで溶いてうちわに絵を描き、どんな石でも画材になると学んだ。

 浜田第一中学校3年の津茂谷和輝さん(15)は「粉砕は力がいるしできた絵の具も薄くてとても難しいと分かった」と話した。弘安さんは「過程にも注目して見て日本画の面白さを感じてほしい」と呼び掛けた。

 企画展は7月7日まで、月曜日は休館。一般600円、高校生・大学生400円、小学生・中学生200円。

 (中村成美)