老舗和菓子店の彩雲堂(松江市天神町)と地元の料理研究家が、食物アレルギー物質を使わない和菓子を共同開発した。生菓子3個入りの「彩雲堂のあれ」と名付け、今月中に発売する。
春と夏をイメージし、ビワ、四つ葉、水風船を模した。つや出しで、もち粉の代わりにくずを使うなど、消費者庁がアレルギー原材料に定める卵や粉類など28品目を使わずに仕上げた。
松江市の料理研究家、上田まり子さん(39)が食品アレルギーを持つ子どもが味わえる菓子を増やそうと、開発を持ちかけたのがきっかけ。
上田さんは卵の代用として、ひよこ豆の煮汁を使ったアレルギー対応の洋菓子を手掛けており、残った豆も小豆に代わる材料として和菓子に有効活用した。
彩雲堂の職人で「現代の名工」に選ばれた大江克之さん(64)が中心となり、2カ月がかりで開発。小豆あんより黄色みが強いものの、甘みや口当たりは従来品と遜色ないという。
商品名は「ノンアレルギー」にちなんだ。価格未定。今月中旬ごろから彩雲堂の専用サイトで予約販売する計画で、上田さんは「どの子も笑顔で食べられる菓子になった」と話した。 (中村成美)













