神楽ファンも子どもも楽しめる「石見神楽ぬりえBook」を益田市常盤町の広告デザイン会社「NAGASE.net」が出版した。同市匹見地区の3神楽社中を取材し、衣装や名場面を塗って楽しめるように仕上げた。
「大蛇(おろち)」などの人気演目から、道川神楽社中のオリジナル演目「小沙夜(おさよ)」まで九つの演目の場面が描かれている。各社中で異なる衣装の絵柄や躍動感のある舞の場面を紹介し、迫力が伝わってくる。
出版のきっかけは島根県吉賀町出身で、益田市にUターンした同社のイラストレーター、伊藤美代子さん(52)のスケッチ。匹見町で見た奉納神楽に感動し、描いた絵を塗り絵にしたいと同社ディレクターの佐々木美沙さん(31)、中村佳苗さん(32)に相談した。3人で半年かけて制作した。
佐々木さんの出身地、匹見地区の道川神楽社中、匹見神楽社中、三葛神楽保持者会の公演に通い、練習の様子も取材した。3人は「好きな色で自由に塗って楽しんでほしい」と話した。
B5判16ページ。千部印刷し、5月から萩・石見空港の売店や観光協会など9カ所で、1冊600円で販売している。(堀尾珠里花)