3月末に唯一の本屋が閉店した大田市で15日、市外の本屋を招いた「長久とマルシェ」があった。出張販売の3店舗が絵本や刊行本を並べ、家族連れなど300人を超す来場者でにぎわった。
書店ゼロ地域となり、本に触れる機会をつくろうと、住民グループの長久まちづくりクラブが企画した。同市長久町の長久まちづくりセンターで、出雲市内の小村書店、あわい堂、句読点の3店が絵本やエッセー、小説、詩集、サブカル本などをそれぞれ200冊前後を並べた。訪れた子どもたちや家族連れは手に取って内容を確かめたり、店主にお薦めの本を聞いたりして、本を選び、買う楽しみを実感していた。
会場は本屋のほかコーヒーやハンドメードアクセサリーの販売もありにぎわった。大田市の長久小学校5年、大畑咲來(さら)さん(11)は「たくさんの本に触れることができて楽しい」と話した。(勝部浩文)