読者の皆さんから意見を募り、山陰中央新報とSデジに掲載する「さんコメ!」。今回が最終回となります。「どうなる?まちの書店」にたくさんの投稿をありがとうございました。いただいた全ての投稿と、記者の雑感を掲載しています。(かっこ内はペンネーム。内容は一部要約・編集しています)
1、若い頃は本屋さんと言うと身近な書店で前を通ってもちょっと寄ってみるのが普通でしたが、高齢になると送られてくる「家の光」や専門誌が月の購読誌で新聞の広告で欲しい本があるとファクスで注文し、まず本屋さんに出向くことがなくなりました。スマホでもちょっとした物語があるとそこで関心を持って読みます。私たち以上に若い人たちは情報網も幅広くすぐ手が出せるネットでの購入は家にいながらにして気軽にでき、そこも魅力の一つではないかと思います。食べるものはお店に行かないと味わえないけど今、本はコンビニでも扱っていて必ず書店に行かなくても求められ、存続は厳しさが増しているのかなと大きな書店が閉店に追い込まれる厳しさを感じました。(でめ、73歳)

2、大田の書店の閉店を聞いて、時代の流れなのかなと思った。町の書店には買いたい本がないことが多い。学生の頃、先生は出版社を指定して本を買うようにいつも言っていた。家の近くの書店には置いていない。大阪梅田の大きな書店で買っていた。30歳で江津に帰ったが、文学の先生も出版社を指定するので、近くの書店で買おうと思っても取り寄せるのに時間がかかるので、梅田の書店に注文していた。最近は、本好きの友人たちが、自分の感動した本や雑誌を宅急便で送ってくる。なので、私は町の書店に行くことがないのだ。閉店と聞いて、気の毒だなと思うけど、私には何もしてあげられない。大阪梅田の書店もいつまで続くのかな。私はインターネットでの本の買い方が分からないので、買い方を教えてもらわないといけないのかな。(ドルチェ、76歳)
3、手にとって見られるという点や、ふらっと立ち寄る第3の場でもあるような、本以外に商品やサービスを展開されている書店もありますよね。ただ持続可能な点でみていくと、人が来店しないと始まらない点もあります。ネット販売と全く違う販売形態と、共存できる販売形態の二極化。間違いないのは憩いの場として書店はまちにあると安心するのは僕だけではないはずです。何もアイデアとしては提案なしですが…。(竹智衆、49歳)
4、先日ある書店に、在庫確認をすると、お電話での確認サービスは終わりました、との返事。電子媒体に押され本屋もどんどん様変わりして行くのを実感した出来事だった。紙の本大好きな私。いつか書店が絶滅しないことを祈るしかない。(紙子、65歳)
5、本が大好きです。書店が閉店することはすごく寂しいです。本に親しめる場所としてはやはり書店や図書館ですね。そこへ行き本を見てまわるのは何とも言えないわくわくする時間です。図書館はいろいろイベントを開催して本に触れる機会を増やそうとしておられます。書店も、手に取って少しだけでも読むことができるスペースを作られたらどうでしょうか。本を手に取って1ページずつめくる喜びはネットでは味わえないような気がします。(本大好きおばさん、67歳)
6、大田市唯一の書店が3月末で閉店すると聞いたとき、「本市はそんなに文化が低いのか!」と思ってしまいました。私は、本はできるだけ手に取って見て購入するようにしてますし、書店で眺めながら選びます。市立図書館も予算が少なく、蔵書はそんなに増えません。文庫本1冊を買うために出雲まで行かなければならないとしたら、高齢者の読書量は激減するでしょう! 子どもたちも新しい本と出合う機会が減少します! 何とか新しい書店ができることを祈るばかりです!! 私は公立図書館の予算増を要求します! できるだけ、多くの種類の本が購入されて、市民に読んでもらえることが、まずは第一ではないでしょうか?(かばさん、65歳)

7、ネット通販・電子書籍・本離れ・人口減などの影響により、書店経営の厳しさ! 時代の流れかも? 大型ショッピングモール出店の書店に、本に親しみ楽しめる場を求め、足しげく通い、自分好みの本を見つけ、できるだけたくさん購入することが、大事だと思います。少しでも、売上に協力できれば? いいですね!(タカボー、72歳)
8、わが街には書店が4店舗あって、そのうち二つはショッピングセンターに設置されている。私はおおむね週に1度書店をのぞいている。学生時代に「本は身銭を切って買いなさい」と先生から教えられた。自分で稼いだお金で買うからこそ慎重に1冊を選び大切にして、しっかりと読む、というのが先生の持論だった。その教えは今でも守っている。大田市の書店は、昨年、直木賞を受賞した千早茜さんの石見銀山を舞台にした小説「しろがねの葉」について、2023年1月31日付の本紙に写真入りで特設コーナーや担当者が紹介されている。3月で閉店になると知り驚いている。非常に残念なことだ。当節、ネット通販の利用者の拡大や人口減少の影響で、特に地方では書店の数が少なくなっている。加えて、ペーパーレス時代で電子書籍が発売されて若い人を中心に活用されている。しかし、やはり本は紙のものが一番だと思う。気に入った箇所にマーカーで印をつけたり、読んでいて思いついたことを書き込んだりしながら読み進めていくのは楽しいものだ。時代の流れにあらがうことはできないが、街の書店の数や大きさは、ある種のステータスを表しているものにも思える。(セロトニン、67歳)
9、私は、読書が好きですが、図書館の利用が一番多いです。でも、書店は気分が上がる場所ではありますね。本に親しむ一つとして、以前から思っていたのは、一畑百貨店の中に図書館と和風喫茶を作ってほしいと、ずっと思っていました。もう、かないませんが。本を読みながら、松江銘菓を、いただきたかった。どこか忘れましたけど、本屋とコーヒー屋が合体したところがありましたね。
10、私は、このテーマについて、家族と話し合いました。私は、もちろん、書店があった方がいいです! 手にとって中身を少し見て選べるからです。読書感想文の課題の本をよく買いました。また、必要な問題集を注文したこともあります。娘も書店があった方がいいと言っています。メディアだと目が悪くなるし、絵本は、実際の本がいいからです。高3の息子は、大きい書店があれば、小さい書店はいらないと言っています。逆に、大きい書店がない所には、小さい書店があった方がいいのではないかと私は、思います。夫は、漫画本を読むのが趣味です。書店が大好きだと思います。
私は、認知症の人にとっては、行き慣れた書店があった方がいいと思います。ネットで買ったり、新しい書店で購入したりするのは難しいと思ったからです。私の父は、認知症軽度のときは、JRで行きつけの書店に買いに行っていました。だけど、認知症が中度・重度になったら、JRに乗らなくなり、私が実家に近い書店で予約注文して、購入し、父に渡していました。(やっこ、50代)

11、2歳の長男はウルトラマンが大好きで、書店でレンタルDVDを毎週借りています。インターネットの動画配信サービスもあるのですが、子どもに見せると終わりがなくテレビばかりになってしまうため、あえてDVDを借りています。近頃、近所の店舗が立て続けになくなり残念ですが、これも時代の流れかなと思います。(悲観したトーマス)
12、大田市の書店閉店は残念。商店街に2軒あった書店が1軒になり、そして無くなってからは大田の書店を利用していた。ネット通販が苦手な私の近くの書店は、4月からは車で1時間数十分。図書館で借りて読むこともあるが、買って自分の本にしたかったり、内容を見て選んでから買いたい本もある。ネット通販や電子書籍という時代の流れの中では、地方での書店経営は難しく閉店は仕方ないかなと思う。静かな空間の中でゆっくりと本を選ぶのは心地良い時間であった。私はしおりをはずしたり挟んだり、本の重さや読んだページの厚みを手に感じながらゆったり読んでいたい。(ハコベ、65歳)
13、読書は趣味ですが、金銭的にしょっちゅう買えるわけではありません。図書館で読んで、気に入ったものを買って蔵書としています。買った本を持って入れるカフェの併設は? コーヒーはコンビニ式みたいな、お手軽でも。読書は、なぜか家の外ですると楽しいです。(M、60歳)
14、先日、出雲市平田町の小村書店さんを地元のニュースで拝見しました。私が子どもの頃、近所だった書店で、夏休みには読書感想文の本を買いに行ったり、「明星」「平凡」などのアイドル雑誌やマンガを買いに行ったものです。代々受け継がれ、今は若夫婦が経営されていると知り、今も書店が残っていることの驚きと共にうれしい思いがしました。今では辞書が無くてもスマホで検索ができたり本が読める便利な時代になりましたが、一つ一つの文字を読み進め、一枚一枚、紙をめくっていく読書は今だからこそ粋な気がします。まだ学生の孫は授業が始まるまでの数分間に読書の時間があると聞きました。「本を手に取り読んでいく楽しさ」を、今の若い人たちは、将来、自分の子どもを持った時、絵本を手にとり、読み聞かせてあげてほしいと思います。(大谷翔子、60歳)

15、書店は図書館と並んで私の好きな場所だが、来店者が多いわりに本の購入者が少ない気がする。私も立ち読み大好きだが、やはり購入もしなければと思う。投稿などでがんばって図書券をゲットし、書店で本を買いましょう。(スネ毛のリンダ。 60代)
16、大田の書店、よく知っています。近くに行った時には購入もしていましたが今は、ネットでの購入が早かったり(書店まで行かなくてもいい)値段も安かったり、時代の変化そのものだと感じます。ネットを利用していない方には書店がよいと思うのですが、店の経営も時代の変化に対応できないためにこうなるのは仕方のないことだと思います。損をしてまで経営はできないと感じます。
17、いわゆるまちの本屋が消え、残る大型書店ですら売れる本が主軸です。本好きとしては書店を応援するためにネットで買わず書店で注文しています。逆に最近面白いのが「まちの古本屋」です。そこには本屋では置かなくなった本たちが新しい読み手を待っています。合わせて応援したいですよね。塾を経営していますが、読書している子としていない子では、明らかに学力に差が出ます。しかも全教科に。紙をめくり、文字という記号から内容を理解して膨らませる力が、人生においてどれだけ大事か、ここで力説させてください。まちの本屋は需要と供給のバランスの上に成り立ちます。もっと本を必要とする地域文化を取り戻さねばなりません。(金巴里橙、50代)
18、書店、大好きです。子どもの頃から本が大好きです。お金が無いので新刊は図書館で借り、それ以外は古書店で1冊100円になったものを購入し読んでいました。今でも買い置きの本が50冊以上押し入れに眠っていますが、現在は読む暇がありません。老後は以前のように本を読んで暮らすことが夢です。町の本屋さんの売り上げに貢献したいのはやまやまですが、そうも行かないのが現実です。大田のジャストもわが家から一番近い本屋さんなのでずいぶんと通いました。さみしいですよね…。(J.GIRL 40代)
記者雑感 実物を手に取り選ぶ楽しさも捨てがたい
テーマをお知らせするとまもなく投稿が寄せられ、地域から書店がなくなることへの危機感の強さや関心の高さを感じました。
記者自身、大田市の書店が今月末で閉店するというニュースは衝撃でした。20年ほど前に高校時代の3年間を過ごしましたが、品ぞろえもよく、いつもにぎわっていた印象があります。インターネット通販を利用しないお年寄りや子どもたちは、どこで本を買えばいいのだろうと案じています。
ネット通販や電子書籍を利用すれば、どこに住んでいても読書ができ、便利なのは間違いありません。ただ、書店に足を運び、色とりどりの表紙を眺めながら実物を手に取り、選ぶ楽しさも捨てがたいものです。
県庁所在地の松江市でも書店が減ってきました。応援として、なるべく地元で本を買うことはもちろん、「本を読みたい」と思う心のゆとりを持たねばと思っています。
(担当記者)