短歌 寺井 淳選

対岸の5時を知らせるキンニャモニャ何か作れと私を急かす   西ノ島 崎津 潮子

 【評】5時のチャイムがキンニャモニャ。海風に乗って流れるメロディに生活の実質が現れていて、ほっとする。キンニャモニャという名前も絶妙。

一目見て露地物とわかるほうれんそう茎ふとく色濃く迷わず求む 出 雲 児玉 幸子

 【評】「露地物」から「迷わず」まで、ここにも生活の実質がある。チャイムは耳でほうれんそうは目と手触りで。ネットの時代に貴重な感覚。

これ以上疲れたくない...