ため池の近くにエノキを植樹し、水やりをするモリアオガエルを守る会会員=出雲市稗原町、市森神社
ため池の近くにエノキを植樹し、水やりをするモリアオガエルを守る会会員=出雲市稗原町、市森神社

 【出雲】出雲市稗原町、市森神社の境内横のため池で16日、地元有志がモリアオガエルが産卵するエノキを植樹し、産卵の環境を整備した。

 モリアオガエルはため池の減少などで個体数が減り、しまねレッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されている。

 地域住民でつくる「モリアオガエルを守る会」が神社の別のため池(60平方メートル)で、2022年から保護活動に取り組む。昨年は約500個の卵塊を確認した。

 今回、新たに境内横のため池(150平方メートル)を整備した。葉に卵を産むエノキの苗を1~3メートル間隔で10本植え、サギなどの野鳥に狙われないよう、池の水面にジグザグに糸を張った。卵は水面に張り出した木の枝に、直径約20センチの泡状の卵塊を産み付ける。

 モリアオガエルの成長過程を示す横4メートル、縦1メートルの看板も完成し、会員ら約20人が除幕した。

 守る会の石川和美代表(81)は「地元の子どもたちに知ってもらい、自然にふれ合うきっかけになってもらいたい」と話した。(黒沢悠太)