練習を終えると、体育館から逃げるように暗がりに飛び出した。隣接する寮に駆け込み、泣きながらスマートフォンを手に取った。「もう限界。帰らせて。迎えに来て」

 昨年6月のある夜。私立岐阜女子高バスケットボール部の3年生で、主力選手の一人だった高桑利加(18)は監督とのあつれきに耐えきれなくなり、母の栄子(47)に救いを求めた。富山県射水市の実家に帰り、とうとう高校中退を決断した。

 「夢と希望にあふれて」(栄子)全国制覇の経験もある強豪校に進学し、部員専用の寮に住ん...