受験シーズン真っ盛り。受験勉強に励みながら、希望する高校や大学での新生活に夢を膨らませる人がおそらく多いのだろう。三十数年前の春、入試を突破して鳥取県東部の高校に入学を控えていた私は、この高校に行く意味が見いだせず、憂鬱な気持ちしかなかった。そのような状態で進学した結果、すぐ中退。鳥取市内の測量会社で働くうちに「新聞記者になりたい」と進路を見定め、大学入学資格検定(現在の高等学校卒業程度認定試験)や定時制・通信制高校をへて大学に進み、その後、新聞社に入って念願の記者職に就いた。つくづく感じたのは「目標が明確なら今すべきことが見えてくるし頑張れる」ということだ。つまずき、紆余曲折した経験を4回シリーズで振り返ってみる。
(安来支局長・桝井映志)
記者の高校中退・大検体験記 ②測量会社での日々 背中を押した叔父の一言

 鳥取県東部の高校に入ったのは1987年春。6月くらいから行かなくなった。復帰するつもりはなかったが、クラス担任の先生に「いつでも帰ってこられるよう籍は残しておいたほうがいい」と言われていて手続き上、正式に中退したのは年度末だった。

 学校に行かなくなった理由は、今思えば、しょうもない。失恋のショックで...