高校を中退して回り道したことを後悔してはいない。多くの同級生より早く社会に出て、このままでいいかという問いに直面し、どんな仕事をしたいかを17歳の時点ではっきりと見定められたのは良かったと考えている。今もそうだが、私は、面倒なことは締め切りが迫らないと着手できない性格。もし、普通に高校に通っていたら、何となく惰性で大学に進み、4年生になってから慌てて就職先を考えていただろう。

記者の高校中退・大検体験記 ①高校中退 卒業式後の「悲劇」
記者の高校中退・大検体験記 ②測量会社での日々 背中を押した叔父の一言
記者の高校中退・大検体験記 ③定時制・通信制に入学 1年で大検合格目指す、果たして結果は…

 困るのは、出身高校を簡単に説明できないことだ。山陰中央新報社に入り、島根県に住んでみて感じたのは、こちらでは出身地や出身高校がどこかをよく聞かれるということ。「鳥取市出身です」と答えた時点で、だいたいこの話題はしぼむが、「じゃあ、鳥取西高?」などとさらに突っ込まれることもある。当初は「いや、高校は中退して卒業してないです」と答えていたが、だいたい相手がちょっと困惑されるので...