竹下亘衆院議員
竹下亘衆院議員

 自民党の竹下亘元総務会長(74)=衆院島根2区、7期=が8日、秋までにある次期衆院選に立候補せず、政界を引退する意向を表明した。2019年1月に食道がんを公表して長期療養した経緯があり、体調不安が理由という。後継候補は決まっておらず、党島根県連の細田博之会長(77)=衆院島根1区、10期=に一任した。県連は10日、細田氏の帰県に併せ会合を開き選考作業に入る。 (原田准吏)

 県連が松江市内で緊急会見を開き、竹下氏に代わり絲原徳康幹事長が文書を読み上げた。

 引退理由について「病魔に襲われ、体力、気力が衰え、皆さんのために自信を持って働くことができない」と説明。兄の故竹下登元首相から受け継いだ議席を「次の世代の若い人にしっかりと引き継ぐ」と続けた。代読での表明は声が出なくなったためという。

 雲南市掛合町出身で、NHK記者を経て1985年から登氏の秘書を務め、登氏が死去した直後の2000年衆院選で初当選した。14年発足の第2次安倍改造内閣で復興相に就任。国会対策委員長、総務会長など党の要職も歴任した。登氏が旗揚げした「経世会」がルーツの党内第3派閥「平成研究会」の会長を務める。

 19年11月に療養から復帰。20年11月には選挙区内の4カ所で国政報告会を開いて回復ぶりをアピールしていた。今年5月からは国会や派閥会合を欠席し、体調が安定しなかった。

 次期衆院選島根2区には共産党島根県西部地区委員長で党公認の新人向瀬慎一氏(50)が立候補を表明。出馬予定だった国民民主党の公募候補は万引したとして除籍処分となった。