松江市袖師町、島根県立美術館ギャラリーで3日、荒木Juro香珠(こうじゅ)さんの仏絵作品個展が始まった。神秘的な仏絵28点が来館者を魅了している。8日まで。
荒木さんは松江市出身で、現在は安来市伯太町母里の国登録有形文化財「旧奥野邸」を拠点に活動している。
仏教が日本で芸術的に発達した奈良時代、天平文化の「天平模様」を仏の衣などに描く。「月光菩薩(ぼさつ)」はフランスの芸術雑誌に掲載された。満月と淡いピンク色で描かれた天平模様を背景に菩薩の美しい横顔を描いた幻想的な作品。
最新作の「孔雀(くじゃく)明王」は羽を広げたクジャクの背中に明王が乗る。クジャクと天平模様の衣がきらびやかな色彩で描かれ、慈悲深い柔和な表情も魅力。
鳥取県伯耆町大殿の自営業、又吉陽子さん(42)は「いろいろな表情を見せる仏様に引き込まれた」と話した。
午前10時~午後5時(最終日は同4時まで)。観覧料300円。小学生以下無料。
(林李奈)