記録的な大雨に見舞われた山陰両県は、活発な梅雨前線の影響で9日も不安定な状態が続いた。4日の降り始めからの総降水量が400ミリに達した倉吉市は土砂崩れなどで孤立状態の集落が発生。松江、出雲両市などで発令されていた警戒レベル4の「避難指示」は島根県内は全て解除されたが、気象庁は地盤が緩んでいる場所があるため、引き続き土砂災害に注意が必要と呼び掛ける。
倉吉市内は9日にかけ、椋波(9世帯24人)、富海(3世帯6人)両地域が土砂崩れや護岸崩落で車が通行できなくなり、孤立状態となった。
ともに徒歩での通行は可能。水道、電気などは使え、椋波は復旧工事で9日午後8時ごろに孤立状態が解消された。富海は復旧までに数日かかる見通し。
松江市は午後7時、八雲町の団地サニーハイツの裏山で土砂崩れが起きる恐れがあるとして、57世帯171人に避難を呼び掛けた。
土砂を含んだ濁り水が流れ出しているためで、応急措置を10日に始める。避難は12日まで続く見込みという。
8日に32万人超が対象となった島根県内の避難指示は9日昼までに全て解除。鳥取県内は午後5時時点、倉吉、智頭、湯梨浜3市町の約6万2千人が対象で計3人が避難している。
4日午後の降り始めから9日午後4時までの総降水量は、鹿野(鳥取市)479・0ミリ、倉吉415・5ミリ、松江334・0ミリ。床上浸水など住宅への被害は島根県内が156棟、鳥取県内が78棟となった。
JR西日本米子支社によると、特急、普通で終日運休した列車があり、約2万6千人に影響した。10日はやくも、スーパーおき、スーパーまつかぜの各特急が始発から運行する計画。おき、まつかぜは米子から西側での運行を予定する。
気象庁によると、梅雨前線が本州付近に停滞するため、中国地方は11日にかけ大雨となる恐れがある。山陰の多いところの24時間降水量は、10日午後6時までが80ミリ、11日午後6時までが50~100ミリ。 (曽田元気)













