瀬戸のうちうみに見入る来館者=大田市大森町、石見銀山資料館
瀬戸のうちうみに見入る来館者=大田市大森町、石見銀山資料館

 【大田】大田市大森町の石見銀山資料館と重要文化財熊谷家住宅で、京都市の錦織工房の作品を一堂に展示する特別企画展「錦織の美」が開かれている。きらびやかな風合いが特徴で、皇室や海外の身分の高い人、神社仏閣向けに制作した約60点に来場者が見入っている。28日まで。

 出展するのは京都市で4代続く織物工房・龍村光峯(こうほう)で、当代の龍村周社長(49)と先代の光峯さん(故人)の作品を並べる。1981年に温泉津まちづくりセンター(大田市温泉津町小浜)のホールの緞帳(どんちょう)「虹しきなみ」を光峯さんが手がけた縁があり、石見銀山資料館と共同で企画した。

 絵画調に額装した「瀬戸のうちうみ」(縦1メートル、横1・5メートル)は、白を基調に重なる波を色とりどりに表現した。光の具合で糸の輝きが異なり、同様の逸品は東宮御所に納められた。そのほか国を通じてローマ法王に贈った生地や室町時代に織られた文化財を復元した作品もある。

 さいたま市の会社員板倉俊彦さん(61)は「見る角度で表情が違い、きらびやかで美しい」と話した。入館料はそれぞれ高校生以上は600円。ともに火曜日休館。(勝部浩文)