竹製のおもちゃ「パチンコ」作りから、放置された竹林の問題を考えるイベントが14日、浜田市野原町の島根県立大浜田キャンパスであった。学生ら8人が災害を招く危険がある竹林の現状を学び、製作を通じて竹への関心を深めた。
イベントは地域課題や国際交流を考える授業「教養ラボ」の一環で、学生有志が企画。島根県津和野町在住で、放置された竹林の竹で竹細工作りや関連のワークショップを開く糸井秀将さん(38)を講師に招いた。
参加者は糸井さんから、管理されずに放置された竹林が日光を遮って他の植物を枯らし、根が浅いため土砂災害を引き起こすことなどを学んだ。パチンコ作りでは、長さ1メートルの竹に穴を開け、玉を飛ばすバネとなるもう一本の竹がしなるよう小刀で皮を薄く〓(刈のメが緑の旧字体のツクリ)いだ。1時間半で完成させ、空き缶に向け木の実を飛ばして遊んだ。
糸井さんは「パチンコ作りは竹を切る、曲げる、穴を開けるという加工の基本が詰まっており竹の性質を理解できる」と語った。企画した県立大国際関係学部3年の黒光那奈さん(20)は「大学付近にたくさん生えている竹を見て活用したいと考えた。おもちゃ以外の使い方も模索したい」と話した。(宮廻裕樹)