発刊した「市山みてあるき『三十六景』」の仕上がりに目を通す市山郷土研究会の田中直文会長(右)ら=江津市桜江町市山、市山地域コミュニティ交流センター
発刊した「市山みてあるき『三十六景』」の仕上がりに目を通す市山郷土研究会の田中直文会長(右)ら=江津市桜江町市山、市山地域コミュニティ交流センター

 国名勝「千丈渓」など地域内にある名所などを見て歩いてほしいと、江津市桜江町市山地区の住民でつくる市山郷土研究会(田中直文会長)が、地区内36カ所の見どころをまとめた冊子「市山みてあるき『三十六景』」を発刊した。冊子を通じて市山地区の魅力を知ってもらう。

 研究会は2019年、現地調査や文献調査をスタート。解説に合わせた挿絵には、同研究会が地区のかつての家並みや暮らしを記した「いろはカルタ」(2008年作製)の絵札を多く採用した。

 同町江尾と島根県邑南町日和にまたがる千丈渓は、昭和初期に開発された経緯や地元ボランティアで景観保全活動が進んでいる現状を紹介。市山地域コミュニティ交流センター(桜江町市山)内に伝承館がある国指定重要無形民俗文化財「大元神楽」、県指定の天然記念物で江の川支流の八戸川沿いに立つ「今田水神の大ケヤキ」(同町今田)、大正末期に地元金融機関本店として建造された木造2階建て「石州銀行」(同町市山)なども記している。

 田中会長(82)は「住民には誇りを再確認する一助に、地域外には歴史や文化を知るきっかけにしてほしい」と話した。

 B5判27ページ、1千部作製。1部500円。問い合わせは田中会長、電話0855(92)0127。(村上栄太郎)