松江市東津田町の農業、池田仁志さん(80)が犯罪や非行のない明るい社会を願って、長年育てているヒマワリが今年も満開になった。保護司らが22日、刈り取りをし、更生保護に理解を深めてもらおうと松江市末次町、市役所で市民に配布した。
池田さんは、いとこが保護司だった縁で17年前から、7月の「社会を明るくする運動」の強調月間に合わせてシンボルのヒマワリを育てている。鮮やかな黄色が特徴の「サンリッチレモン」が約200平方メートルの畑に1500本ほど咲き、保護司や松江市職員、農協の職員ら約30人が炎天下、刈り取り作業をした。
ヒマワリは罪を犯した人の自立を社会で支える更生保護について知ってもらおうと、松江地区の保護司が市役所で来庁者に配布した。
松江保護観察所の三宅清信所長は、6月に起きた大津市の保護司殺害事件に触れ「保護司の面接場所に自宅以外の公共施設を使うことも増えると思う。活動には地域の理解が不可欠」と話した。ヒマワリを育てる池田さんは「刈り取り作業も地域と保護司の交流の場になっている。花を見つめて明るい気持ちになってほしい」とほほ笑んだ。(小引久実)