出雲市から指定を受けた住民の車の通行が可能になる緊急車両用の道=出雲市大社町日御碕
出雲市から指定を受けた住民の車の通行が可能になる緊急車両用の道=出雲市大社町日御碕
出雲市から指定を受けた住民の車の通行が可能になる緊急車両用の道=出雲市大社町日御碕

 島根県が6日、7月の記録的大雨で崩落し、全面通行止めとなっている県道大社日御碕線近くに設けた緊急車両用の道を、11日から日御碕地区の住民の車も通行可能にすると発表した。出雲市から指定を受ければ、約1カ月ぶりに自由に市街地と行き来できるようになる。一般車両向けの仮設道路の設置は依然として見通しは立っていない。

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 県は、一般車両向けの仮設道路の設置に時間がかかることから、県道の崩落現場近くの私有地に鉄板を敷くなどして道を設置。7月29日から緊急車両や燃料輸送用、医療、介護事業者関係の車両の通行が可能になった。ただ、急な勾配や幅員が狭い箇所が残っており、危険性が高いため、一般車両は通行できない。

 8月5日からは大型の緊急車両が通行できるよう勾配を緩くする道に切り替える工事に着手。市街地との間を結ぶ唯一の県道の崩落で今も住民の日常生活に影響が残る中、県は地区の要望に応じ、住民の車も通行可能にした。

 10日に工事を終え、11日午前9時から通行可能になる見込み。対象は地区住民と発災以降地区に残されたままとなっている宿泊客や従業員などの車で、市が発行する「指定証」が必要になる。警備員が24時間常駐し、通行時間に制限はない。市によると、宿泊業者の送迎車などは想定していないという。

 県道路維持課によると、一般車両向けの仮設道路の設置に向け、崩落現場付近などでボーリングによる土質調査を実施している。同課の実原哲也課長は「どのように道路を通すかの調査がまだ終わっていない」と話した。

(高見維吹)