逆転を信じた大社ナインがまたも無限大の力を発揮した。第106回全国高校野球選手権大会第9日は15日、兵庫県西宮市の甲子園球場で2回戦があり、島根代表の大社が延長十回タイブレークで創成館(長崎)を5ー4で下し、16強入りを決めた。大社の夏2勝は前身の杵築中時代の1917年(第3回大会)以来、107年ぶりとなる。
九回までで3ー3と決着がつかず、無死一、二塁から始まるタイブレークの十回表、大社は先頭の6番高橋蒼空選手の三塁へのゴロが悪送球を誘って1点。さらに1死二、三塁で8番園山純正選手のスクイズで1点を加えた。十回裏の守りでは、1点差に詰め寄られたピンチで、途中出場の二塁安井貫太選手が難しいゴロをさばく好プレーを見せ、流れを断ち切った。
先発の馬庭優太投手は、外角低めの直球と変化球を織り交ぜる投球で相手に流れを渡さなかった。十回を完投し、被安打6、6奪三振の好投を見せた。
大社は島根大会を通じて初めて2点をリードされる展開。ナインは逆転を信じて戦い、八回に園山選手のスクイズで同点に追いつくなど、大事な場面でチームの強みの確実なバントが生きた。
島根県勢の夏2勝は2021年の103回大会の石見智翠館以来3年ぶり。16強入りは22年の104回大会の浜田以来、2年ぶりとなる。
大社は次戦、大会第11日の4試合目で早稲田実業(西東京)と対戦する。
(小豆沢颯太)
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